かなぺりーのイタリア暮らし

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START ROMAGNA/バス賃もアプリでピッとする時代

こんにちはかなぺりーです

半分忙しく、半分ぼーっとしてたら夏になってました

 

今回は、最近よく利用しているバスの進化について投稿します。

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これがいつから導入されていたのかはもう定かではありませんが、コロ助の影響であることは間違いなく、自分含め使いこなしている乗客を見ると「現代に生きてるわたしたち感」がすごい(語彙)

ということで、以下バスアプリの仕組みと使い方について紹介します。

 

そもそもなぜ

これまではバスチケットというと、駅の売店やタバッキ(煙草屋という名のコンビニ的な小売店)で買うか、またはバスの運転手から直接買うのが一般的でした。しかし昨年からのコロ助騒乱により、現在もバスの中の運転席付近には「ここから先近づかないで」「運転手に話しかけないで」というテープが巻かれ、運転席側の入口にも乗客は近づけません。さらにドアには「運転手からチケット買えません」「予め用意するか、アプリか、カードで払ってネ」という張り紙もしてあります。

もちろん駅の売店やタバッキで用意しておくのが一番簡単ではあるのですが、バス停が駅から遠いとか、タバッキが開いてないとか、開いててもチケットのストックがない、自販機が壊れているなどの場合もあります。個人的には「いや多めにストック置いとけよ!」「急に店閉めてんじゃねえよ!」「なんで壊れてんだよ!自販機!オイ!」と思うこともありましたが、アプリを入れてからはそういった無駄な怒りを感じることは今のところありません。

さらにいうと、やっと言い逃れできないシステムになったんだなぁという印象。というのも、バスのチケットはゾーン制かつ時間制で、最初に乗った時点で打刻をしたらゾーン内/時間内であれば乗り降りが自由。運転手はいちいち乗客全員がどこで打刻してきたか確認しないので、だまっていれば無賃乗車できてしまう仕組みでした。もちろん監査員がこまめに乗車してくるのでそう簡単にはズルできませんが、これだけ張り紙もしてあって、現金以外で支払う方法も沢山あるのに「知らない分からない」は言い訳として流石に苦しい。乗るなら払う、というごく当たり前のやり取りが、この御時世になってようやくまともに成立しつつある…という事実に関心すると同時にちょっと引いているところです。

 

提供アプリ一覧

さて本題です。

リミニ、リッチョーネ、ラヴェンナ、ファエンツァ、フォルリ、ティコチェゼティコ、チェルヴィア地域を管轄しているバス会社STARTROMAGNAで現在提供されているアプリは以下の4つ。詳しくはこちら

DropTicket iOS,Android,HarmonyOS

myCicero iOS,Android

Roger iOS,Android

Muver Android

私はmyCiceroを使用しています。何故だかわかりませんが、DropTicketは私のスマホでは検索しても出てきませんでした。ちなみにラヴェンナを走るバスはDropTicketかmyCiceroに対応しています。

多少差はあれ、こういったサービスは基本的にどこの地域でも既に始まっているものと思われます。アプリがあればイタリア語に自信がなくてもちょちょいのチョイでチケットは買えるし、開いてんだか開いてないんだか分からないタバッキまで走る必要もありません。

 

使い方

使い方は至って簡単。

1.アプリをスマホにインストールする

2.利用登録をする(個人情報やカード情報など)

3.利用する電子チケットを買う

4.バスに乗る

5.チケットを有効化(アクティベート)する

 (車内に掲示してある専用QRコードを読み取る)

以上です。有効化した瞬間に制限時間が表示されるので、もし監査員が途中乗車してきたらその画面を見せればOKです。こんな感じ

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注意

・ゾーンに注意

目的地によってチケットの種類が変わります。ゾーン1のチケットのままゾーン2へは足を伸ばせません。よく確認しましょう。これに関しては多少間違えてもアプリがあればその場で再度正しいチケットの購入を促されるだけなので、分からないまま乗っても大した問題ではないでしょう

・有効化(アクティベート)を忘れずに

これをしないと「乗っている」ということにならない、つまりそのチケットはまた使えてしまうという抜け穴があります。見つかり次第質問攻め+罰金になることが予想されますので、スリルやうっかりラッキーを味わうよりも大人しく有効化しておいた方が結果的に無難です

・混雑時

バス内が混んでてQRコードが貼ってある場所まで辿り着けず、チケットの有効化がしづらい場合もときどきあります。この場合は乗客の数が減ったのを見計らって有効化すれば良いわけですが「人が沢山乗ってて身動きができなかったんだ」「QRコード掲示をもっと増やしてくれ」くらいは言えると更に良いでしょう

 

まとめ

というわけで北イタリアのバスアプリ事情についてでした。1回使えばすぐに要領が分かるのでなんてことありません。新しいものを便利と思えるうちは積極的に使っていきたいですね。

 

おまけ

~ある日遭遇した乗客と監査員のやり取り その①~

チケットを持たずにバスに乗りこむが運悪く(?)既に監査員2名が乗っていた。「ハッ!ヤベ」という顔になったあと慌ててチケットを探すフリを始める客。小刻みに震えた手で大きな財布をガサガサ漁るがチケットは出てこない。だって持ってないんだもん。見かねた監査員の一人が「セニョーラ、チケットはお持ちですか」と尋ねると「持ってるわ。でも見当たらないの」と目もくれない。「持ってなくても大丈夫ですよ、カードがあれば払えますから」と監査員。バスにはタップするだけで支払いができる端末も常設されているのだ!そこで「あらそうだったわね、ありがとう」と言えば済むところ、プチパニック中の客は「カードも持ってないの」と宣う。持ってないわけなかろうが!財布カードまみれやないか!と多分居合わせた全員が思ったが、結局監査員にバス代を現金で払うという形で収まりました

 

~ある日遭遇した乗客と監査員のやり取り その②~

チケットを持たずにバスに乗りこむが運悪く(?)既に監査員2名が乗っていた。「ハッ!ヤベ」という顔になったあと「ハァ~ッ!」と大きな溜息をつき、財布をガサゴソ漁る演技をし、半ば怒りながら運転手に「チケット買いたいんですけど!!!」と叫ぶ。「私は運転するだけなので。チケットは現在販売していません」と軽くあしらう運転手。見かねた監査員の一人が「セニョーラ、チケットはお持ちですか」と尋ねると「持ってない!」と即答。勢い。ではカードで…と促すと「カードもない!現金もない!アプリもない!」(…いやどれか1つくらいあるやろ笑)←私の心の声

監「チケットお持ちでないなら降りていただかないと…」

運「次のバス停で止まるかぁ?」

客「降りない!絶対に降りない!!!」

(すごい!降りないんだ!降りて次のバスに乗れば見逃してくれるのに!どういう展開になっちゃうの!?)

監「困りますね。降りてくれないと無賃乗車ということで罰金になりますが」

客「いいわよ!」

(えっ、いいの!?)

監「では書類をご自宅に郵送しますので身分証明書を」

客「持ってない!」

(出た!なんにも持ってない!笑…逆に何なら持ってるんだ)

監「仕方ないですね…名前は?」

客「○○」イラつきながら小声でボソボソ

監「住所は?」

客「○○通り」

監「番号?」

客「5!!」大声

というやり取りをそばで聞きながら「これで偽名と偽の住所だったらこの客の逃げ勝ちでは…」「いやしかしこんなくだらないことで無駄な労力を使うなどいかにも阿保らしい」としみじみ思うかなぺりーであった