かなぺりーのイタリア暮らし

イタリアでの生活、便利な情報、おすすめスポットなど

Maison du Mondeで束の間の現実逃避/私とゴミ箱の哲学

こんにちはかなぺりーです。

今回の記事はイタリアあんまり関係ないのですが、覚えておきたかったので書きました。お役立ち情報というよりはただお茶飲みながら話すような内容なので、お茶でも飲みながら読んでください。

 

先日家のバスルームの小さいゴミ箱の蓋が外れてしまい、よく見るとところどころ錆も目立っていたので、新しいゴミ箱を買うことにしました。どうせならもう少し可愛げのあるシャレオツなゴミ箱がいいなと思い近所の店を歩いて回っていたのですが…回れど回れど、これしかない。これ、もしくは類似品。

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これがイタリアの家庭の、トイレのゴミ箱のスタンダードなんだということはよくわかった。わかったんだけど、ちょっとくらい他の選択肢あってもよくないですか。本当にこれしかないんですか。バックヤードに出してないやつがいくつかあるんじゃないんですか。なんなの。トイレのゴミ箱に個性はいらない?誰がそんなこと言ったの…なんなの一体…

ブツブツ言いながら一通り回り尽くして、ふとMaison du Mondeが近所のショッピングセンターにあったのを思い出した。Maison du Mondeは、フランスを中心としたヨーロッパ各国で展開しているフランスの家具・インテリア・装飾品の会社です。

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これまで特に用事がなくてお店の外からサッと眺めるだけだったけど、「可愛くてシャレオツ」のザ・見本市みたいな印象があったので、ここなら流石になんか用意してくれているだろうという勝手な期待を胸に、初めて足を運んでみました。

結論から言うと、ゴミ箱は無かった。あのステンレスのやつすら無かった。無かったのにも関わらず、私の心は静かな感動に打ち震え退店後もしばらく体がポッポしていた。「可愛くてシャレオツ」な商品たちが次から次へと私の視線と脳内を席巻し、たった数十平米の店舗に小一時間は居たような気がする。できることなら何も考えずに気になった商品を全てカゴへ入れて持って帰りたい。ウワ~!可愛い!え~!何これ可愛い!やだ~オシャレ!待って待ってこれも素敵やん…ウワ~!何??いやっ!ちょっと!ウワ~~~!ええぇぇ~~~!とかなんとか、もうずっと頭の中がキャピキャピやかましかった

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なんてことはない、テーマや色別にコーディネイトされたショールーム的なものが何パターンか展示されており、そのスタイルに合わせてインテリアや雑貨が所狭しと陳列されている、イケアやニトリのそれを思い浮かべてもらえれば良いのですが…色使いや素材、デザインがとにかく私好みだったんです。気になる方はウェブサイト見てみてください。しかも、ひとつひとつのお値段はそこまで高くないので、気軽に少しずつ揃えていける安心感もある。がんばってコツコツ集めていけば我が家もきっとこんな空間に…!?え~それはやばい、ワクワクしちゃう

結局この日は大人しく無料のカタログだけ頂戴して帰りましたが、家でカタログを読みながら尚も興奮冷めやらぬ私。これもいいなあ、あれもいいなあ、でも全部は買えないしなあ、も~~~このカタログの家や部屋が全部実在してて、エアビーかなんかで泊まれたらいいのにぃ!

む…、待てよ。これはもしかすると…と思って調べてみたら

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もうありました!

Maison du Monde Hotel&Suites、場所はフランスのナント市。

”メゾン・デュ・モンド・ホテル&スイートは、旅への招待状です。お部屋やスイートルームのドアを開ければ、脱力感と幸福感があなたのものに。5つのスタイルの客室と7つのスタイルのアパートメント...様々なライフスタイルに対応します。お部屋は、ExploChic、Jagger、GreenGrey、Classic Chic、ExoChicをご用意しました。スイートルームには、アムステルダムブルージュストックホルム、サンジェルマン、マリーゴールド、パームスプリングス、ザンジバルがあります。100%メゾン・デュ・モンドの装飾スタイルで、あなたを魅了します。このスタイリッシュで居心地の良い雰囲気の上に、自宅のように感じられるような幅広いサービスが用意されています...クラシック・シック・ルームは、お体の不自由な方にもご利用いただけるよう、2室ご用意しております。…”

だそうです。インテリア・装飾品全て自社商品ということで、泊まりながら使用感や雰囲気を体験できる仕組みになっています。やるなMaison de Monde…

中心地に限らず、こういう取り組みはもっとしてほしい。山海川森林、至る所に作ってほしい…。そのときの気分に合わせて好きな色やモノに囲まれた家で過ごしてみるって、結構な贅沢だと思いませんか。言ってみれば「別荘があちこちにあるのオホホ」みたいな感覚。「私の」じゃないけど。「私のじゃない」から気楽でいいんです。頼むよMaison du Monde!

こうして彼らのビジネス戦略にひとしきり心踊らされて、気付けばトイレのゴミ箱探しは振り出しに戻ってしまった。どういうことなんだ、可愛くてオシャレなゴミ箱は置くなってことなのか…Maison du Mondeの社員の自宅のトイレを一軒一軒拝見させてもらいたいぐらいだ…などと考えつつ溜まっていたゴミを捨て、ついでに薄汚れた内カゴと外れてしまった蓋を水洗いしながらまじまじと見たら、壊れてなかった。

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ゴミ箱、全然壊れてなかった。ちょっと蓋が外れただけだった。

新しいゴミ箱は買わなくてよかったし、でもなぜかMaison du Mondoの魅力に出会えたし、Maison du Mondeは引き続きトイレのゴミ箱は商品化しなくてよい。この数日色々あったけど、結局なんにもなかった。Why is there something rather than nothing... ゴミ箱に形而上学のひとつを問われるとは思ってもみなかったが、しかし有益な情報を与えてもらったのは事実。可愛くもシャレオツでもないけど、なんだか急に賢そうに見えてきた...。ということでうちはもうしばらくこのステンレスの円筒ゴミ箱にお世話になります。見れば見るほど、一生壊れなそうな顔してらあ。

 

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