日本人作家の作品多数!ファエンツァの国際磁器博物館(M.I.C)が結構楽しい
こんにちはかなぺりーです。
突然ですが美術館や博物館はお好きですか?私は好きです。今回はファエンツァにあるイタリア最大級の国際磁器博物館(Museo Internazionale delle Ceramiche)を紹介します。
ファエンツァはエミリアロマーニャ州でラヴェンナに次ぐ人口を有しているで、ラヴェンナからは30㎞、ボローニャからも50㎞ほど離れています。工業・産業的には栄えているけど観光面は他都市に比べやや規模が小さいためか、いい意味で「地元民の普段の生活」が見える街です。よほど時間に余裕がある旅行か仕事関連での訪問、あるいは磁器に興味がある人以外はあまり訪れなそうですが、「その道の人」にはたまらない場所かもしれません。
ファエンツァは昔から陶磁器産業(マジョリカ焼き/釉薬で華やかな模様を描くイタリアの代表的陶器)で世界的に知られており、市内には国立陶芸美術大学もあります。「陶磁器の街」つながりで、日本では岐阜県土岐市と1979年(昭和54年)に姉妹都市提携を結んでいます。そのせいか偶然かはわかりませんが、博物館の中でもたくさんの日本人作家の作品を見ることができます。
では、この国際磁器博物館が一体どんなところなのか早速見てみましょう!
目次
1.世界中の陶芸作品を所蔵
ここの魅力はなんといってもその広さと濃さ。博物館の敷地面積はのべ約1,000平方メートル、4階建てです。約6万点(!)の所蔵のうち、6,000点が展示されているとのことです。6万点、全て陶芸作品です。おおまかに展示内容を述べるとこのようになります。
・1階は世界各国の古い陶器や民芸品など。先史学、古代ローマ、アジアや中東のコレクションも充実
・2~3階は中世後期からコンテンポラリーまで色々、あと企画展
・4階は世界の若手作品
とにかく広い、そんで量が多い。しかしどれも興味深く、ふらっと入っただけなのに気付いたら3時間くらい滞在してしまいました。途中からだんだんお腹空いてきて、後半結構巻いてしまったのが悔やまれます。次はちゃんとご飯食べてから行こう
1階の民芸コレクションと、コンテンポラリーのフロアで特に多くの日本の作品が展示されていました。母国から遠く離れた国の片田舎で母国の人の功績に触れると無性にじ~んとしますね。
2.ピカソとの深いつながり
2019年11月1日~2020年4月12日まで「Picasso, la sfida della ceramica (英語ではthe challenge of ceramic)」という企画展を行っています。
ピカソは生涯約3300点の陶芸作品を制作したといわれていますが、今回そのうち50点の作品を国立ピカソ美術展のコレクションから貸し出してもらっているそうです。また、ファエンツァとピカソの知られざる関係性をこれまで展示されてこなかった文書や写真で振り返るとあって、公式サイト曰く「例外的で、計り知れない価値のある作品の集成」と表現しています。
今はコロナコロナでそれどころじゃない世相ですが、ピカソ好きの方にはぜひ、そうでなくとも少しだけでも興味がある方には見てほしい、楽しい展示でした。
3.縦横の積極的な芸術活動
市や県をあげて文化を継承していく姿勢が感じられる活動が多くみられます。例えば市民向けの体験学習であったり、現代アートの国際的な公募であったり、関連図書をメインに蔵書した図書館の開放であったり…地元の人はもちろんのこと、国や年齢も関係なく個人が参加できるプログラムや施設が多く設けられている印象です。教育的要素に長けている。財団がしっかりしてるんだろうな、というのが素人目にみても伝わってきます。
4.場所・営業日時・入館料
ラヴェンナからは1時間に1本の頻度で電車かバスが出ています。往復€7.7(2020年2月現在)
【営業日時】
毎週月曜と1月1日、5月1日、8月15日、12月25日は休み
11月1日~3月31日:平日は10時から16時、土日祝日は10時から17時半
4月1日~10月31日:10時から19時
【入館料】
企画展ないときは若干値段が安くなるみたいですが、基本的には以下のとおり
企画展があるときの一般 €14
15人以上の団体または65歳以上 €10
中学生以上の生徒と先生 €5
ファミリー(大人2人と子供2人) €20
MIC会員、中学生以下、障がい者 無料
5.おまけ~超個人的な話~
私は今、ファエンツァのゴルフ場にあるレストランに縁あってときどき働いています。ラヴェンナではまだ1度も日本人の方とお会いしたことがないのですが、なぜかここではすでに2人の日本人に会いました(うち1人は陶芸関係の方)。なので今のところファエンツァの方が日本に所縁があるなと感じています。
近隣にはイタリアで最も美しいボルゴ(村)の一つと言われているBrisighella(ブリジゲッラ)という町があり、薬草植物園があったり温泉があったり、ヨーロッパ最大の石灰岩脈州立公園があったりと、個人的にちょいちょいくすぐられる要素が沢山…。またファエンツァ周辺は果樹園、ブドウ畑、オリーブ畑が特に多く、森林も点在しています。もう少し天気とコロナが安定したら、詳しく探索したいと考えています。
まとめ
ボローニャもラヴェンナもフィレンツェもいいけど…たまにはファエンツァもどうでしょうか^^!この博物館だけでも半日は悠に過ごせると思います。
以上かなぺりーのおすすめでした。
***
Instagramではイタリアでの普段の日常やワーホリ時代の思い出などをイラストにして載せています。フォロー・コメント、小躍りして喜びます。
***